シーチキンに新たな仲間「シーチキンEvery」
はごろもフーズが、8月21日から新発売した「シーチキンEvery(エブリ)」が大きな反響を呼んでいる。「シーチキン」の原材料といえばマグロ、カツオだが、今回使用したのは何と〝ぶり〟。実に42年ぶりの新魚種の採用となったが、開発に至った背景や苦労話、今後の展開について、開発部の辻翔平課長代理に聞いた。
―開発背景について。
「シーチキン」は、ビンナガマグロ(1931年~)、カツオ(1976年~)、キハダマグロ(1981年~)を原材料に使用しているが、近年は漁獲量が不安定である一方、世界的な需要増もあり原料調達が難しくなっている。そこで今後も安定的に「シーチキン」を供給するためにはどうしたら良いかを考えたとき、新魚種の採用となりいくつかの候補の中から〝ぶり〟を採用した。
ぶりは水揚げ、消費とも多くが国内で、世界的な需要変動の影響を受けにくい。それにうま味が強く日本人にも人気があり、マグロ、カツオと同様にタンパク質やDHA・EPAの含有量も多く、何より「シーチキン」としておいしいことが決め手となった。
―こだわった点は。
主に使用するのは、3~5月頃にかけて九州・中国地方で水揚げされる、加工に適した天然ぶり。ただ、ぶりは頭が大きく、血合も多いため使用部位部分がマグロ、カツオより少ないのが難点。加工方法も従来とは違い、骨の除去など製造ラインでの工程を確立するのには多くのハードルがあった。
味わいもぶり本来のおいしさを損なわず、「シーチキン」と同じ使い方ができることを目指し、大豆油とオニオンエキスによるシンプルな味わいに行き着き、構想から商品化まで約5年かかった。商品名はぶりと、「Every=いつもの」のゴロ合わせで、長く愛される商品に育って欲しいという願いを込めた。
―今後の展開は。
発売後は多くのメディアで取り上げられ、量販店を中心に想定以上の配荷を見せる。年間販売計画168万個に向け、まずは多くの生活者に食べてもらい、ぶりの「シーチキン」を知って欲しい。サイトではアレンジレシピも公開しており、売れ行き、ニーズを考慮しパウチ商品などラインアップの拡充も検討する。
2023年10月16日付