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PBF事業に本格参入/オイシックス~食の挑戦⑨~

投稿日:2023年7月11日

飲食店など販路拡大も視野

食品・食材の宅配サービスを展開しているオイシックス・ラ・大地が、プラントベースフード(PBF)事業における初のオリジナル食品「P肉(ぴーにく)」を開発し、6月15日には新商品も発売。開発背景や今後の販売計画などについて、サービス進化室の尾花美咲さん=写真㊨=と御子柴安里子さん=同㊧=に話を聞いた。

食品・食材の会員制宅配サービスを展開しているオイシックス・ラ・大地。中でも「Oisix」ブランドはこだわりの食材や、簡単・手軽・時短で調理できるミールキットなどをサブスクリプションサービスとして提供している。

同ブランドでは昨年12月、「P肉」を使用した餃子・ミートボール・ミールキットなど計7品をテスト的に販売開始した。
「P肉は、大豆を中心とする植物性素材のみで作ったオリジナルのプラントベースミートです。現在はミンチタイプのみで、ミンチ肉を食材として使用する食品・メニューに代替使用しています」

同社ではプラントベースミートを牛肉・豚肉・鶏肉に次ぐ〝第4の肉〟として位置付けている。環境負荷や糖質・脂質過剰摂取、タンパク質摂取不足など様々な社会課題を解決するために、高タンパク低脂質で地球にも体にもやさしい食材の必要性を感じていた。
「特にこだわったのはおいしさですが、原材料としての完成度ではなく、P肉を使用した食品・メニューとしての味のバランスを追求しました」

分かりやすいのが「プラントミートのカリもち!餃子」で、プレーン・カレー・パクチー・野菜の4種類ある。同商品を開発する際、一般的によく言われるように大豆臭をマスキングするのではなく、香辛料やハーブを用いた食品・メニューにP肉を使用し、味全体が一体感を成すように仕上げた。そのため特にカレーとパクチーでは大豆臭が一切気にならず、トマトソースのP肉ボールやミールキットの担々スープも同様だ。
「昨年12月に販売開始した際には、味・食感ともに好評でした。事前に複数のプロ料理人にも試食していただき、高い評価を頂戴したことで販売に踏み切りました」

同社でのプラントベースフード事業は始まったばかり。現時点での目指す方向性については。
「国内でのプラントベースフード市場を大きくすること。そのためにもまずは喫食機会を増やすことが必要であり、当社初の試みとして、飲食店や量販店など販売チャネルを増やすことを検討しています。また、特に若い世代やお子さんにはぜひ一度食べてほしいし食習慣化してもらうことが最終目標なので、興味を持ってもらおうと著名料理人とのコラボ企画を進めており、今年度内には実現したいと考えています」

一方で今後の事業計画や具体的な取り組みについては、市場動向を見ながら、会員からの意見・要望を最大限に反映し推し進めていく。
「お客様の声を直接聞くことができ、商品の開発・改善に生かせるのがOisix最大の強みです。P肉のバリエーションやメニューだけでなく、事業展開そのものにも大きく影響すると思われます」

2023年7月10日付

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