震災の記憶風化させず、来年1月17日から販売
オリバーソースは11月8日、神戸本社で新製品発表会を開催。これまで最高品質の位置付けで展開してきた「クライマックス3年仕込みウスターソース」を進化させて「3年熟成ウスターソースCLIMAX『神々による進化』」として来年1月17日から販売する。
阪神淡路大震災で甚大な被害を被った同社にとって、震災が発生した1月17日は特別な意味を持つ。毎年、最高品質のクライマックスシリーズを同日に発売することで、震災の記憶を風化させないよう努めてきた。
■「神々による進化」の意味は
来年はあの震災から30年。同社も被災地も復興を果たし、同社社員や一般社会において当時を知らない世代が増え、その記憶は失われつつある。語り部として震災の脅威を伝えてきた道満雅彦社長は30年の節目を迎え、今後も伝える大切さは重視しつつ、前向きな発想を最高品質の商品コンセプトに加えたいと考えた。日本の「ウスターソース文化」と「熟成文化」の融合がそれだ。
明治時代に日本に伝えられたウスターソースは、特有の甘みやうま味を加え、新たな〝日本の味〟として定着。その味づくりにおいて貢献したのが、古くから伝わる熟成の技術だった。熟成は発酵などと違い、人の手をかけて味を調えるのではなく、時間をかけることで食原料が自らおいしくなることを待つしかない。新商品名に「神々による進化」とあるのは、人の手が及ばない味わいという熟成ソースの特性を示している。
■新製品の概要
国産野菜・果実・静置発酵製法の米黒酢、特選丸大豆醤油を主原料に3年の長期熟成を経て仕上げた。原料素材には「クライマックス(最高到達点)」の名前の通り徹底してこだわった。スパイスの芳醇な香りとまろやかな酸味、奥行きのある味わいが特長。着色料・増粘剤・甘味料は不使用。
販売数量は3千本(1t)で1本あたり350g、3千円。11月8日から予約販売を開始。自社ECを中心に販売するほか一部神戸市内の百貨店など、引き合いのあるところは可能な限り対応する。越境ECも視野に海外へも発信。また、ふるさと納税対象品としても展開。メイン消費者層は40~60歳代女性を想定。このソースにぴったりのおすすめメニューはカツサンド、スペアリブ、ハヤシライスなど。
値下げが常態化しつつある一般流通の店頭とは異なる市場で、新たな需要を開拓する。
●ブランド専用サイト(予約申し込み)
https://www.oliversauce.com/climax_ws/
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