若年夫婦二人世帯がターゲット
ルウカレーナンバーワンブランド(シェア61.6%)・ハウス食品「バーモントカレー」から発売61年目の新提案。フレンチの一流シェフの知恵を取り入れた「バーモントカレーシェフズアレンジ」(2〜3皿分、オープン価格:参考価格270円)が2月12日から全国で発売される。
いわずと知れた国民食・カレー。年間にして約16回食卓に登場する人気メニュー。直近の調理型カレー市場は、一昨年、昨年と2度の価格改定を経ながらも、同社の新商品「X—BLEND CURRY」や積極的なプロモーション施策も奏功し、「比較的新価格の定着が進んでいる」と同社食品事業部第1ビジネスユニットマネージャーの山本篤志氏=写真右。今後も消費者嗜好の多様化と世帯構造の変化に対応すべく、ライフステージに合わせた製品展開と、カレーならではの3つの価値(コスパ・タイパ・エンパ)を訴求。
調理型カレーは、1皿当たり約150円のコストパフォーマンスに、「バーモントカレー」なら12皿分が約40分で調理できるタイムパフォーマンス。そして作る楽しさや母の日・父の日、アウトドアなど催事に連動できるエンターテイメントパフォーマンスに優れている(山本氏)。
現在14アイテムまで拡充が進む「バーモントカレー」だが、常に消費者に寄り添い進化(深化)するブランドでありたいという思いから、ルウカレーの購入率が年々減少傾向にある〝若年夫婦二人世帯〟が、将来メインユーザーとなるべき層と捉え、新商品を通じてルウカレー市場全体の拡大を目指す考えだ。
新商品「バーモントカレーシェフズアレンジ」の最大の特徴は、濃縮ペーストルウによる調理と後片付けの簡便性にある。ターゲットの若年夫婦二人世帯は共働きが中心で、時短・簡便ニーズに加え、夕食の時間と食への期待感は大きい。山本氏は「夫婦二人が食卓をより良くできるカレー」をテーマに、シェフがバーモントカレーのルウを使えば、よりカレーを上質に仕上げることができると考えた。
そこで協力を得たのがフレンチ「シェ・イノ」の古賀純二氏。目指したのは、やさしい甘さのバーモントらしさと、シェフが作るようなコク深さの両立。フランス料理のスープは、材料を水ではなくブイヨンで煮込む。さらにスパイスを高温で加熱する際にハチミツを入れて甘みや香ばしさを付与するといったフレンチ技法を取り入れた。開発研究所グループ長の濱洲紘介氏=写真左=は「開発まで2年を要した」と、その両立の難しさを語った。
ラインアップは、ふくよかな甘みの「果実仕立て」(110g)と、口あたりがなめらかでまろやかなコクの「クリーム仕立て」(108g)の2種類。必要な具材は玉ねぎと肉だけ。濃縮ペーストルウだから調理時間はフライパンでわずか10分。固形ルウと異なる油脂を使用しており、洗い物も軽減される。
プロモーションは、2月7日にブランドサイトを開設し、3月からデジタル施策、90秒CM、サンプリングを予定。店頭ではレシートクーポンキャンペーンも行う。テレビCMは4月からバーモントカレーのぶら下がりで認知拡大を図る。初年度販売目標は、出荷ベースで3.5〜4億円。今後の濃縮ペーストルウのラインアップ拡充にも注目だ。
2024年2月12日付