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設立60年で社名一新 強固なブランド構築へ/日清フーズ

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日清製粉ウェルナで海外加速

日清製粉グループにおいて、小麦粉を主原料とする食品事業を担う会社として1962年に設立された日清フーズが60年を機に社名を一新。2022年1月1日から「日清製粉ウェルナ」が誕生する。小池祐司社長は11月9日に都内で会見し、自ら推し進めた新コーポレートブランド戦略に対する思いを語った。

日清製粉グループで食品事業を担う日清フーズの金額シェアは、小麦粉(66.5%)、から揚げ粉(59.6%)、天ぷら粉(58.2%)、お好み焼粉(42.7%)、スパゲティ(43.9%)、パスタソース(33.1%)、冷凍パスタ(41.4%)と家庭用各カテゴリーで、ナンバーワン(インテージSRI/2020年度、一部19年度)を有する。ブランドの認知率は、小麦粉・ミックス類の「日清」は88.5%、スパゲティ「マ・マー」は91.6%、本格イタリアン「青の洞窟」は68.9%と高く、ファミリーブランドを中心に市場では欠かせない存在だ。

しかし、それらのブランドは、社名の日清フーズ、赤いリボンマークの「日清製粉グループ」、海外で展開する「ウェルナ」が必ずしも一致していない。将来的な企業成長を描く上でその課題の解決が重要になると判断した小池社長は、社名変更に向けて4年前から動き始めた。

コーポレートブランドロゴ

新型コロナウイルス感染症の拡大や気候変動問題、デジタル化の加速も消費者の行動変化を促進した。さらに国内では人口の減少、世界規模での競争は激化。調理の大切さが見直され、食を供給するインフラ企業としての責任、SDGsへの取り組みも不可欠。さらには企業としての世界展開の重要性も増し、コーポレートブランドを中心にブランド価値を高める方針を固めた。

企業ビジョンであるPrime Meal Investigator(食の求道者)への進化を掲げ、強力な販売力を持つ真のメーカーを目指す。そのための3つの戦略①事業構造の転換②価値の創造(真の研究・開発型企業への進化)③海外展開の深耕を推し進める。

社名の〝日清製粉ウェルナ(英名:Nisshin Seifun Welna Inc.)〟は、信用と信頼を蓄積してきた「日清製粉」と、14年から海外で展開してきたブランド「Welna」を結合した。グローバル企業として生まれ変わり、伝統を守り、価値を継承しながら新しい道を切り開く存在。ブランドステートメント〝Wellness by nutrition from nature(自然の恵みで、世界の人々に健康をお届けする)〟に込められた思いとなる。

国内冷食は倍増以上に

新コーポレートブランドを軸に、グループ価値を高めていく。年内から徐々に情報を発信し、本格的なブランド訴求は来年以降となるが、日清製粉グループオリジナルキャラクター「コニャラ」(スタジオジブリ制作)を積極的に活用する。

また、具体的な数値計画などの明言は避けたが、常温家庭用商品にさらに磨きをかけ、家庭用冷食は新ジャンルを強化しながら売り上げは最低倍増以上を目指す。そして業務用はウイズ・アフターコロナニーズを踏まえNBを積極展開する。

さらに独自技術で差別化された健康訴求型商品を来春上市する。小麦ブランに含まれる発酵性食物繊維に焦点を当て、小麦の新たな可能性を実現した新ブランド「ナチュブラン」を開始する。

海外展開では、従来の製造拠点ビジネスから脱却。現地での消費者に向けた販売、日本からの輸出も含めて、日本の食文化の浸透を図る。売り上げは現状1割程度の構成比だが、小池社長は「3割程度は必要」と意欲を見せた。

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