冷凍マザーセンター構想
日本アクセスは、冷凍物流の課題解決を目指す冷凍マザーセンター「関東フローズンマザー物流センター」(埼玉県さいたま市)=写真=の試験運営を11月2日から開始した。
第7次中期経営計画の競争優位戦略として打ち出した、冷凍マザーセンター構想がスタート。フルライン卸として全温度帯に対応した高品質な物流体制構築を目指す。冷凍物流業界ではメーカーごとにパレット規格が異なり、他の温度帯よりも労働環境が過酷にも関わらず、配送車両への手積みおよび手降ろしが解消されていない。その結果として、ドライバーの長時間拘束や納品先での待機問題などの課題解消が進んでおらず、同社は物流機能を川上の領域まで拡大することで、商権強化と差別化を図る。
冷凍マザーセンターでは、①取引メーカーの営業倉庫に対する寄託在庫料を削減②受発注集約で業務効率化を推進③納品車両集約による物流削減④パレット運用による荷降ろし時間短縮と待機時間の解消につなげる。具体的にはマザーセンターで一括仕入れし、各支店・物流センターへは横持ちで対応する。
さらにパレットSCM(事前出荷情報)を導入する。荷受け側の汎用センター入荷検品作業を軽減し、マザーセンター出庫データから荷受け側汎用センターの入庫予定データが自動生成される。荷受け側はSCMラベルのバーコードを読み込むことで、パレット積付け情報の取り込みが可能となる。
11月2日に汎用センターからマザーセンターへの発注を開始し、3日から出荷。当面は実行可能性調査(FS)と位置づけ、大手メーカー10社前後でスタート。今後、費用や運用面の検証を1年かけて行い、関東を皮切りに東北や中四国エリアへと全国展開を進める。
2020年11月16日付