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大賞坂口氏に大きな期待/食創会

投稿日:2018年3月26日

安藤百福賞表彰式

食創会~新しい食品の創造・開発を奨める会~(元内閣総理大臣小泉純一郎会長)は2017年度食創会第22回安藤百福賞の表彰式を3月12日にホテルニューオータニで開催。2年ぶり9回目の「安藤百福賞大賞」に大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授坂口志文氏が選出された。
坂口氏は過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」を発見し、食物アレルギーの緩和など免疫に関する食科学研究の進歩に大きく貢献した。人間の身体には様々な免疫細胞が関与する免疫システムがあり、病原体や異物などの外敵から守られている。この免疫システムが過剰に働くとアレルギー反応や自己免疫疾患を引き起こす。制御性T細胞はこの免疫細胞の暴走を止め、食物アレルギーの緩和など免疫機能の調節に対して制御性T細胞の増殖や活性化が重要であることが分かった。
さらに乳酸菌やビフィズス菌などの腸内細菌が関係することも分かり、制御性T細胞の発見は免疫に関する食科学研究の進歩に大きく貢献し、世界中の研究者が研究に取り組む。同氏は新しい研究領域を切り開いた免疫研究者として国際的に高い評価を受けている。
今後は医療分野では自己免疫病やアレルギーなどの免疫疾患の治療と予防、免疫反応によるガンの治療、臓器移植への応用などで期待が持てるほか、食科学分野では免疫反応には正負の制御が働く。食品によって免疫制御のバランスをコントロールし、免疫疾患の予防に向けた研究を進めていく。坂口氏は「今回の受賞を機にさらに研究に力を入れたい」と今後の研究に意欲を見せた。
会見には設立35年を迎えた公益財団法人安藤スポーツ・食文化振興財団の安藤宏基理事長と、食創会の小泉純一郎会長も出席。安藤理事長は「食アレルギー問題の部門で非常に大型の表彰。食品業界に与える影響も大きい。ノーベル賞候補にも挙がっており先々が楽しみ」と大いに期待。さらに小泉会長も「人類のための大きな研究。今後も素晴らしい研究成果に期待したい」とコメント。
会見後、表彰式・記念講演会(主催公益財団法人安藤スポーツ・食文化振興財団/後援文部科学省)が行われた。安藤理事長、小泉会長が挨拶。来賓挨拶には齋藤健農林水産大臣が駆けつけた。林清審査委員長による審査経過説明、そして小泉会長から表彰状及び副賞の贈呈、最後に坂口氏による大賞受賞記念講演が行われた。
2017年度食創会安藤百福賞の各受賞者は次の通り。大賞(賞金1000万円)=坂口志文〔サカグチ シモン〕(66歳)大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授「制御性T細胞の発見と免疫システムに関わる食科学研究の基盤構築」▽優秀賞(200万円)=原博(64歳)北海道大学大学院農学研究院特任教授「消化管ホルモンを介した食品ペプチドの新たなメカニズムによる疾病予防」▽同=吉原良浩(55歳)理化学研究所脳科学総合研究センターシニアチームリーダー「食べ物の匂いへの誘引行動を司る嗅覚神経機構に関する研究」。
発明発見奨励賞(100万円)=五十嵐啓(39歳)カリフォルニア大学アーバイン校医学部神経科学・解剖学科助教授「食の感覚を支える脳の香り記憶機構の研究」▽同=樽野陽幸〔タルノ アキユキ〕(35歳)京都府立医科大学大学院医学研究科細胞生理学講師「甘味・旨味・苦味に関わる味覚神経伝達の分子機構の解明」。=写真は会見で喜びのコメントを語る坂口氏(中央)、安藤理事長(左)、小泉会長(右)と表彰式後の記念撮影

2018年3月26日付

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