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サイバー戦に確かな手応え/日清食品

投稿日:2018年1月29日

18年はシニア戦略を強化

日清食品は1月19日、パークハイアット東京で2018年基本方針説明会を開催。安藤徳隆社長=写真=が「ロングセラーブランドのさらなる進化」と、「シニア需要の創造」の2つの方向性を示した。
日清食品グループは中期経営計画2020で掲げる時価総額1兆円に向けて順調に推移。この1年で2500億円近い上乗せを実現し1月17日時点で8622億円に達した。安藤社長は売上の更なる拡大、国内需要拡大には3つの戦略ターゲットへのアプローチが不可欠との考えを示した。①若年層(次世代ユーザーの獲得)②女性(ノンユーザーの開拓)③シニア(ロイヤルユーザーのリテンション)。
そのアプローチの重要なカギを握るのがSNSマーケティング。「これから企業価値を高め、売上を伸ばすには欠かせない」と語る安藤社長は〝Cyber戦〟と名付ける。そして2017年は「上手くいった」と手応えを見せた。
ブランドコミュニケーションのKPIとして、CM好感度3位以内、「Yahoo!」トップ及び話題なうへの登場、「LINE」ニュース、「Twitter」1万リツイート、まとめ記事掲載、動画再生100万回という6つの指標があり、2017年は前年以上の成果のある結果となった。「世界に誇れる日本企業ランキング」において食品業界では最上位の11位にランクイン。時価総額が数兆円規模の大企業が名前を連ねる中で、事業規模の割に圧倒的に高い支持と共感を得た。
2018年はシニア層へのマーケティングを強化する。ポイントは〝新世代シニア〟。「ダウンサイザー」と呼ばれ、あえて小さなモノを選択するといった、“縮小”の機会を“受け入れる”世代を指し、そこに独自価値が関わる。「少量(機能)」+「クオリティ(情緒)」で、〝前向きな縮小〟を演出することが重要と考える。
昨年発売した「お椀で食べる」シリーズは、従来品の品質はそのままに丁度いいサイズを提案し大ヒットを続ける。パッケージにデザインした〝お椀〟がシニア層の好感を獲得。昨年8月まで前年割れの続いた袋麺市場が同シリーズ発売を機に、9~10月は前年を上回った。今後も新製品投入を予定しておりさらなる市場の活性化を狙う。
また同世代には〝イノベーション・シンパ〟の傾向が強い。「発明→すごい→良い」という連想ループを作ることがマーケティング上で有効と考える。そして、シニアを動かす「ラストワンマイル」が大きなポイントとなる。ファーストアクションまで提示する大胆な丁寧さで購入を促す。安藤社長は「よりダイレクトな行動示唆を」と語り、BS放送での情報発信、シニア向け雑誌での露出を強化する。商品的には新たな位置づけの新商品や、「お椀で食べる」シリーズ、「カップヌードルリッチ」などを訴求する計画だ。
一方、若年層へのコミュニケーション・アプローチを強化した成果として「カップヌードル」ブランドの過去最高売上達成を見込んでいる。若年層(高校生・大学生)の喫食率は前年同期比108%(自社調べ)と順調に推移する。さらに今年は〝eSports〟関連への取り組みを始める。アジア初開催の世界最大の対戦格闘ゲーム大会「EVOJapan2018」に特別協賛。安藤社長は「本物の格闘番組よりもeSports番組の方が今後の若者には人気が出るのでは」と期待を寄せる。
また「日清のどん兵衛」は〝どんぎつね〟コミュニケーションが好評で、3期連続で過去最高売上を更新する見通し。若年層の喫食率も109%と着実に拡がっている。「日清 カレーメシ」もユニークなテレビCMで前年度比130%超の見込みと好調。湯かけ調理変更後の8~9月は2倍以上の販売を見せた。
課題として挙げたのは袋麺。世帯人員の減少、個食化、ロイヤルユーザーの高齢化、若い世代に必要性がない点などの背景を指摘し、カップ麺ユーザーである若い世代が求める袋麺を開発し、新たな試みを実施する。上手くいけば第2弾商品の準備もある。
そして、今年は「チキンラーメン」が発売60周年。「チキンラーメン」ブランドで過去最高のネット売上となる前年比110%の販売計画に取り組む。ただし今回は〝ありがとう発明60周年〟をキャッチコピーに掲げ、即席麺全体の需要喚起に繋げたい考えを示した。

2018年1月29日付

「お椀で食べる」にシニアに好感

 

 

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