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「揖保乃糸」12年ぶりに値上げ/兵庫県手延素麺協同組合

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来年3月以降5%上昇へ

乾麺業界をリードする「揖保乃糸」が約12年ぶりに価格改定に動く。兵庫県手延素麺協同組合は10月10日、組合事務所で会見し、井上猛理事長が概要を説明。手延素麺など麺商品全般において来年3月6日から、末端価格5%アップを目標に値上げを行うと発表した。

井上理事長

乾麺業界も他の食品同様に原料、包装資材、人件費、物流費、光熱費等の高騰が影響。井上理事長は前回の価格改定時から諸コストが上昇している点に触れつつ、「高い品質を維持し、安全安心な商品を安定供給するために値上げに臨む」と強い意志を語った。

その安全安心の取り組みの一つが「揖保乃糸HACCP」。HACCP完全義務化に向け、同組合では安全安心を追求するため、保健所が設定する基準よりも厳格な「揖保乃糸HACCP」を作成。今後約1年をかけて組合員らに取得を求める。9割以上が取得の見込みだが、こうした品質維持の取り組みに加え、現場の作業改善を目指した設備投資を積極的に進めるため健全な価格での販売を目指す。

末端価格の改善も課題に挙げた。特に手延素麺(上級品300g)はカバー率が高く、消費者の支持も強いため販促対象になりやすい。前回改定時から特売価格は軟化しており、今回の改定を機に販売店にとっても適正な利益が取れる商材としての位置づけを目指す。

価格改定は来年3月6日開催予定の第一回共販で原麺の出荷価格を改定し末端価格で5%アップを目指す。「手延素麺 揖保乃糸 上級品」(300g)は希望小売価格税別380円が400円、「手延ひやむぎ 揖保乃糸」(400g)は440円が460円など。

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