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産学官通じ沖縄でコーヒー栽培を開始/ネスレ日本

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元サッカー日本代表高原氏の沖縄SVらと

左から名護市金城秀郎副市長、沖縄SV高原CEO、ネスレ日本高岡社長、琉球大学和田浩二農学部長

ネスレ日本が国産コーヒー豆の栽培事業に参入する。高岡浩三社長兼CEOは4月17日にネスカフェ原宿で会見し、沖縄SV(オキナワ エスファウ)と琉球大学との産学官連携「沖縄コーヒープロジェクト」の概要を発表した。

ネスレグループは、コーヒー生豆のサプライチェーンを継続的に改善することを目的としたプログラム「ネスカフェ プラン」を2010年から世界中で展開。収穫量が多く品質の良い苗木のコーヒー農家への配布、技術支援、コーヒー豆の買い付けなど栽培から製品の製造、流通、消費まで全ての工程に関与する取り組みを行っている。

沖縄SVはサッカー元日本代表の高原直泰CEOが、15年に沖縄に設立したサッカーを中心としたスポーツクラブ。地域に密着した活動にも力を入れており、後継者不足、耕作放棄地といった一次産業の問題解決に向け沖縄県産コーヒーの栽培を開始することにした。

高岡社長は「親交があった高原さんから沖縄での取り組みを聞き賛同した。日本で『ネスカフェ プラン』を実現する機会が巡ってきた」と経緯を説明。今後、ネスレ日本は沖縄でのコーヒー栽培に適したコーヒー苗木の種の提供、技術支援などを行い、沖縄SVによるコーヒー栽培をサポート。沖縄県の気候や土壌に精通する琉球大学は、農学的見地からコーヒー栽培で必要な情報を提供する。

これまで限定された量にとどまってきた沖縄県産コーヒー豆の生産量を拡大することで、新たな特産品に育成する。環境に配慮した沖縄の新たな観光資源としてサッカー場を併設したコーヒー農園の開発も計画しており、高原CEOは「スポーツを通じた新たな地域貢献を果たしたい」と将来像を見据える。

プロジェクトは23日、一昨年播種し育成したコーヒーの苗木を沖縄県名護市の農地に移植することで本格的にスタート。苗木は今期240本、20年までに1万本を移植し22年以降に収穫を予定する。苗木のオーナー制度も導入し、17日からクラウドファンディングを活用して100本分のオーナーを募集している。調達資金はコーヒー栽培の財源として活用し、オーナーには沖縄SVオリジナルデザイン「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」などを返礼品として贈呈する。

また、ネスレ日本深谷龍彦常務執行役員飲料事業本部長は、沖縄県産コーヒー豆のネスカフェへの活用について言及。「魅力はあるが現時点では全く未定。10年、20年と何年かかってでもプロジェクトを成功させたい」と語った。

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2019年4月29日付

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