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都市型小型店舗の新業態「Miniel」を大阪市内に出店/ライフCo.

投稿日:2019年4月15日

超小型SMはCVSから需要奪還できるか

新業態1号店「Miniel西本町店」

ライフコーポレーションは4月13日、都市型小型店の新業態1号店「Miniel(ミニエル)西本町店」(大阪市西区)を、ホームセンターコーナン西本町店の1階にオープンした。

売場面積76坪の超小型店で、売上の4割を惣菜で稼ぐ。生鮮はカット野菜が中心の品揃え。1km圏内には同社のビオラル靭店やレギュラー業態の阿波座駅前店、西大橋店、土佐堀店が点在しドミナントを形成。カニバリも危惧されるなか、なぜ出店を、それも超小型店という新業態を開発したのか。

レギュラー業態の中で最も新店舗に近い阿波座駅前店は一定の集客を確保しているが、周辺はオフィスと住宅が混在、地下鉄駅も近いことから昼間人口は5万人を超え、阿波座駅前店が取り込めていない需要を新店舗でカバーする狙いがある。つまり自社店舗同士の中間に「ミニエル」を差し込むことで、より密度の高いドミナント形成が可能となる。

これまでSM店舗の隙間の需要を取り込んできたのはCVS。新店舗周辺にも多くの店舗の展開が見られるが、この需要をミニエルが奪還していく、対CVS用の新業態となる。折しも24時間営業の維持が危ぶまれているCVSにとっては脅威となりそうだ。

主力の惣菜はインストアキッチンで揚げ物を調理・提供する、これがCVSとの差別化ポイントとなる。この他の弁当・惣菜は加工センター(PC)および阿波座駅前店から調達(1日2便。ミニエルが阿波座駅前店から購入)。惣菜売上の内訳はインストア17%、PC43%、阿波座駅前店40%を想定。

加食はレンジ対応など簡便・即食商材を揃え、CVSが手薄な酒類も強化。価格はSMとCVSの中間で設定。例えば500mlのペット飲料ならCVS140円、SM98円とした場合、ミニエルでは118円程度。小型店のため通路幅は1m、ゴンドラの高さは通常1.35mのところ、当店舗では1.85m。1日の平均単価は1000円程度、客数は800~850人、年商3億円程度を見込む。

これらのフォーマットはあくまでオープン時点の想定で、今後の成り行きによって大きく変わっていく可能性もある。なおバックヤードが狭く、店内ゴンドラ下部に在庫を置く収納を設置。冷食売場の上部にも備品などを置くスペースを設けている。こうした工夫の一方、同業態に合ったバックヤードの適正スペースも今後の検証課題。

都市部において出店可能な物件が小規模化するなか、異業種との競争、ドミナント密度を高める小型店の確立に注目が必要だ。

【店舗概要】大阪市西区西本町2-2-11▽売場面積251㎡(建物全体3899㎡)▽駐車台数72台(共用)▽従業員数17人(社員4人)▽営業時間8~22時▽売上構成比(%)生鮮三品1.3、惣菜40、インストアベーカリー0.7、日配11、ドライ46.8(菓子15.1、酒類5.5)、生関0.2。

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